「唐揚げ屋を開業したいが、どれくらいの資金が必要なのか?」
「自己資金が少なくても、からあげ専門店を始められるのか?」
「フランチャイズに加盟する場合、銀行から融資を受けられるのか?」
飲食店の独立開業を考える際、多くの人が最初に直面するのが資金調達の問題です。
特に唐揚げ専門店は、テイクアウト専門店、イートイン併設店、フランチャイズ(FC)、既存店舗への代理店導入、キッチンカー、ゴーストレストランなど、営業形態によって必要な資金が大きく異なります。
開業を成功させるには、単に必要な資金を集めるだけでは不十分です。
大切なのは、無理のない初期投資で事業を始め、開業後も資金繰りを維持できる計画を立てることです。
本記事では、通算35店舗の飲食事業経営経験をもとに、唐揚げ屋の開業資金、創業融資、自己資金、資金繰り、そして低資金で始められる営業形態について詳しく解説します。
1.唐揚げ屋の開業資金には何が必要なのか?
唐揚げ屋を開業する際には、まず必要な資金を「設備資金」と「運転資金」に分けて考える必要があります。
設備資金とは
開業時に必要となる設備や施設への投資です。
- 店舗の保証金や初期契約費用
- 内装・外装工事費
- フライヤーや冷蔵冷凍庫
- 換気・排気設備
- 調理台、シンク、厨房用品
- POSレジ、決済機器
- 看板や販促物
- キッチンカーの場合は車両・架装費用
設備資金は、営業形態や物件の状態によって大きく変わります。
居抜き物件を活用すれば工事費を抑えられる場合がありますが、設備の状態によっては修理・交換費用が必要です。
安い物件だからといって、必ずしも総投資額が安くなるとは限りません。
運転資金とは
営業開始後に必要となる資金です。
- 鶏肉、調味料、油、包装容器などの仕入代金
- 家賃や水道光熱費
- 従業員の給与
- 広告宣伝費
- 通信費や決済手数料
- 借入金の返済
- 売上が安定するまでの不足資金
飲食店では、開業直後から想定した売上が得られるとは限りません。
だからこそ、開業費用を使い切るのではなく、数か月分の運転資金を確保することが重要です。
2.唐揚げ屋の開業資金はいくら必要?営業形態別に比較
唐揚げ事業の初期投資は、どの営業形態を選ぶかで変わります。
| 営業形態 | 主な資金用途 | 資金計画の特徴 |
| 独立型の専門店舗 | 物件、厨房、内装、看板 | 新規設備への投資が大きくなりやすい |
| フランチャイズ店舗 | 店舗、設備、ブランド導入費用等 | 本部ごとの料金と設備基準を確認 |
| 既存店への代理店導入 | 追加設備、看板、食材 | 既存厨房を利用できれば投資を抑えやすい |
| キッチンカー | 車両、厨房設備、営業準備 | 車両と設備の状態で投資額が変動 |
| ゴーストレストラン | 厨房、包装、デリバリー対応 | 既存厨房を利用できれば物件投資を抑えやすい |
例えば、新たに店舗を借りて唐揚げ専門店を開業する場合、物件契約、内装工事、厨房設備などを合わせて数百万円以上の投資となるケースもあります。
一方、すでに飲食店を経営している人が、既存厨房に唐揚げメニューを追加する場合、新たに物件を借りる必要がないこともあります。
ただし、これはあくまで一般的な比較です。実際の開業資金は物件・厨房・設備・営業許可・販売方法によって異なるため、個別の見積もりが必要です。
開業資金を抑える最大のポイントは、何を新たに購入し、何を既存設備でまかなえるかを明確にすることです。
3.唐揚げ開業の資金調達方法① 自己資金
自己資金とは、自分自身で準備した事業資金です。
自己資金があれば、その分だけ借入金を減らせるため、開業後の返済負担を抑えられます。
ただし、自己資金の全額を店舗づくりに投入することはおすすめできません。
例えば、自己資金が200万円ある場合でも、200万円すべてを設備投資に使うと、開業直後に仕入や家賃を支払えなくなる可能性があります。
資金計画では、次のように考えることが重要です。
自己資金=開業設備に使える資金+開業後に残しておく運転資金
また、金融機関の融資審査では、自己資金の金額だけでなく、これまでの準備状況、経験、売上計画、返済能力なども確認されます。
「自己資金が少ないから絶対に融資を受けられない」というわけではありません。
反対に、多額の自己資金があれば必ず融資を受けられるということでもありません。
4.唐揚げ開業の資金調達方法② 日本政策金融公庫の創業融資
飲食店の新規開業で検討したい資金調達先の一つが、日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫には、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方などを対象とした「新規開業・スタートアップ支援資金」があります。
この制度では、事業に必要な設備資金や運転資金について融資を相談できます。
制度上の融資限度額は7,200万円ですが、これは誰でもその金額まで借りられるという意味ではありません。
実際の融資額や返済条件は、事業計画・資金の使途・審査結果などによって決まります。
創業期の方には、一定の条件のもとで原則無担保・無保証人で利用できる融資制度も案内されています。
詳細は、必ず日本政策金融公庫の公式情報で確認してください。
日本政策金融公庫・創業融資の案内:
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html
融資相談前に準備する資料

唐揚げ屋の創業融資を相談する際は、少なくとも次の内容を整理しておきましょう。
- 開業の目的と事業経験
- 商品・メニューの内容
- 出店予定地域とターゲット顧客
- 開業に必要な設備の見積もり
- 自己資金と希望借入額
- 月間売上の予測
- 食材原価と人件費の予測
- 家賃などの固定費
- 毎月の借入返済予定額
特に重要なのは、なぜその売上が見込めるのかを数字で説明できることです。
希望だけで作った売上計画ではなく、販売単価、営業日数、想定客数から根拠を示す必要があります。
5.唐揚げ開業の資金調達方法③ 信用保証協会と金融機関
地方銀行や信用金庫などを通じて、信用保証協会の保証付き融資を検討する方法もあります。
創業期には「創業関連保証」などの制度が用意されています。
創業関連保証は、創業予定者や創業後一定期間内の事業者などを対象とし、制度上の保証限度額は3,500万円です。
ただし、保証限度額と実際の融資可能額は異なります。
金融機関の審査や信用保証協会の審査が必要であり、保証料などの費用が発生する場合があります。
また、自治体によっては、創業者向けの制度融資や利子・保証料の補助制度が設けられていることがあります。
開業予定地の自治体、商工会議所、商工会、金融機関などに確認することが大切です。
参考:経済産業省「創業期に利用可能な信用保証制度について」
https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/sougyou.html
6.補助金や助成金を開業資金に使うときの注意点
「唐揚げ屋を補助金で開業できないだろうか」と考える方もいるでしょう。
補助金や助成金は有効な支援制度になり得ますが、すべての飲食店が自由に利用できるわけではありません。
制度ごとに対象者、対象経費、申請期間、審査方法が定められています。
また、補助金には事業実施後の精算・後払いとなるものが多く、開業時に必要な現金をすぐに確保できるとは限りません。
したがって、補助金の入金を前提として、開業直後の支払い資金を不足させないことが大切です。
補助金は利用できれば助けになりますが、採択や交付を確約された資金として扱うべきではありません。
7.融資を受ける前に必要な売上・利益・返済計画
資金調達で最も重要なのは、借りられる金額ではなく、返せる金額を考えることです。
例えば、唐揚げ専門店について次のような仮の月次収支を考えます。
| 項目 | 金額 |
| 月間売上 | 150万円 |
| 食材・包装などの変動費(35%) | 52万5,000円 |
| 人件費 | 30万円 |
| 家賃 | 15万円 |
| 光熱費・その他経費 | 20万円 |
| 営業上の収支差額 | 32万5,000円 |
※説明のための仮定であり、特定店舗の実績や利益保証ではありません。税金、減価償却、借入利息、事業主の生活費などは別途検討が必要です。
このケースでは、営業上の収支差額が月32万5,000円あります。
しかし、ここから借入金の返済、税金、予想外の修繕費、追加仕入などの支出が発生します。
仮に500万円を年利3%、5年間の元利均等返済で借りると、毎月の返済額は概算で約9万円です。
同じ売上でも、返済負担が大きければ手元資金は減少します。
さらに、月商が150万円から120万円に下がった場合、他の条件が同じなら、変動費差引後の収支差額は約13万円まで低下します。
このように、開業前には希望売上だけでなく、売上が落ち込んだ場合の返済能力も検証しておくべきです。
売上が好調なときに返済できる計画ではなく、売上が想定を下回っても経営を続けられる計画を目指しましょう。
8.低資金で唐揚げ事業を始めるための4つの営業スタイル
唐揚げの独立開業を考える際、必ずしも最初から新しい店舗を構える必要はありません。
信長から揚げとりかでは、営業環境に合わせて4つのスタイルを選択できる事業モデルを案内しています。

① FC店舗スタイル
店舗全体を「信長から揚げとりか」のブランドで営業するスタイルです。
本部の商品、調理レシピ、運営ノウハウを活用しながら、テイクアウトやイートインなど地域に合った営業を目指します。
独立開業として店舗を構えたい方に向いていますが、物件取得費や厨房設備などの投資を検討する必要があります。
② 代理店・取扱店スタイル
すでに飲食店を経営している方が、既存店舗の一角で信長から揚げとりかの商品を販売するスタイルです。
既存の厨房、スタッフ、店舗設備を利用できれば、新規出店と比較して初期投資を抑えられる可能性があります。
居酒屋、レストラン、食堂などで、新たな収益源を検討している方に適した方法です。
ただし、厨房の作業能力や設備、営業許可の範囲などは事前に確認する必要があります。
③ キッチンカースタイル
移動販売車を利用して、唐揚げを販売するスタイルです。
イベント、催事、商業施設、地域の集客スポットなど、出店場所を選びながら営業できます。
店舗物件の賃借とは異なる資金計画を立てられる一方、車両購入費、厨房設備費、出店料、保管場所、営業許可などを考慮する必要があります。
④ ゴーストレストランスタイル
既存厨房などを活用し、デリバリーを中心に唐揚げを販売するスタイルです。
客席を新たに設けずに営業できる可能性があるため、既存の厨房設備を有効活用したい事業者に向いています。
一方で、デリバリーサービスの手数料、包装資材、配送対応、注文管理などのコストを正確に計算しなければなりません。
4つの営業スタイルは、どれが最も優れているかではなく、自分の資金力と事業環境に合っているかで選ぶことが重要です。
9.信長から揚げとりかのFC・代理店加盟条件
信長から揚げとりかでは、4つの営業スタイルに共通する本部基本条件を設けています。
| 項目 | 加盟条件 |
| 加盟金 | 0円 |
| 売上ロイヤリティ | 0円 |
| 月額ライセンス使用料 | 22,000円(税込) |
| 営業スタイル | FC・代理店・キッチンカー・ゴーストレストラン |
| 商品・調理 | 本部レシピと秘伝ダレを活用 |
ブランドとメニュー、調理方法、店舗運営のノウハウを活用できる仕組みです。
鶏肉は加盟店側で仕入れを行い、秘伝ダレは本部から供給します。
秘伝ダレの追加購入代金、送料、物件、車両、厨房設備、食材、包装資材、各種許可などの費用は別途必要です。
そのため、加盟金0円という条件は、開業に必要なすべての費用が0円になるという意味ではありません。
大切なのは、本部への初期加盟金と売上連動ロイヤリティの負担を抑えながら、事業者が自身に合った設備投資を検討できることです。
10.唐揚げフランチャイズを選ぶときは「総投資額」で比較する
からあげ フランチャイズを比較する際に、加盟金だけで判断してはいけません。
一般的なFCでは、次のような費用体系が考えられます。
- 加盟金
- 研修費
- 保証金
- 月額ロイヤリティ
- 広告分担金
- 本部指定商品の購入費
- 厨房設備・内装工事費
各本部によって費用の内容や契約条件は異なります。
例えば、加盟金が低くても、月々のロイヤリティが売上に連動する場合は、売上の増加に応じて本部への支払いも増えることがあります。
反対に、固定のライセンス料方式であっても、原材料費や運営費の負担がなくなるわけではありません。
FC・代理店の比較では、初期費用、毎月の本部支払い、商品原価、設備投資、解約条件まで含めた総合的な収支で判断しましょう。
11.開業資金を抑えるために実践したい5つの考え方
① 最初から大きな店舗を構えない
必要以上に広い物件を選ぶと、家賃や内装費、人件費の負担が増える可能性があります。
② 既存設備を最大限に活用する
フライヤー、冷蔵庫、調理台など、適切に使用できる設備があれば、新規購入を減らせます。
③ メニュー数を増やしすぎない
商品数が多すぎると、材料在庫や廃棄ロス、調理作業の複雑化につながる場合があります。
④ 借入金を増やしすぎない
資金を借りられることと、無理なく返済できることは別です。
⑤ 売上よりも現金残高を重視する
売上が伸びていても、仕入代金、給与、家賃、税金、借入返済が重なれば資金不足が生じます。
開業時から日々の収支と入出金予定を把握する仕組みを整えておきましょう。
12.よくある質問(FAQ)
Q.自己資金が少なくても唐揚げ屋を開業できますか?
営業形態によっては可能性があります。ただし、自己資金が少ないほど、設備投資を絞ることや運転資金を確保することが重要になります。融資の可否は個別審査によります。
Q.唐揚げのフランチャイズでも創業融資を申し込めますか?
申込みを検討できます。実際に融資を受けられるかどうかは、事業計画、必要資金、経営経験、返済見通しなどによって判断されます。
Q.加盟金0円なら開業資金も0円ですか?
いいえ。加盟金が0円でも、物件、厨房設備、材料、営業許可、車両などに別途費用が必要になることがあります。
Q.既存の飲食店に唐揚げメニューを追加する場合も融資は必要ですか?
必ず必要というわけではありません。既存設備を利用でき、自己資金で対応できる場合もあります。設備導入や運転資金が不足する場合には、金融機関への相談を検討できます。
Q.キッチンカーとゴーストレストランでは、どちらが低資金で始められますか?
既存の厨房設備がある場合には、ゴーストレストランの方が初期投資を抑えられる可能性があります。ただし、車両や厨房の保有状況、営業許可、出店料、デリバリー手数料などによって結論は変わります。
13.まとめ|唐揚げ屋の資金調達は「借りること」より「続けられること」
唐揚げ屋の独立開業には、自己資金、日本政策金融公庫の創業融資、金融機関の融資、信用保証制度など、複数の資金調達方法があります。
しかし、資金を集めること自体が目的になってはいけません。
重要なのは、開業後の売上、原価、人件費、固定費、借入返済を考慮しながら、事業を継続できる資金計画を立てることです。
唐揚げ専門店の開業方法も、新規店舗だけではありません。
FC店舗、既存店への代理店導入、キッチンカー、ゴーストレストランなど、複数の選択肢があります。
大きく始めることよりも、小さく始めても利益を残し、長く営業を続けられることが大切です。
信長から揚げとりかでは、からあげグランプリ4年連続金賞の商品を活用し、加盟金0円・売上ロイヤリティ0円・月額ライセンス使用料22,000円(税込)という基本条件で、複数の営業スタイルに対応する全国FC・代理店事業を展開しています。
独立開業を検討されている方も、既存店舗の売上向上を考えている方も、まずはご自身に合った営業形態と資金計画を比較してみてください。
記事監修:森本蘭丸
飲食事業を中心に通算35店舗の経営経験を持つ。岐阜県発の「信長から揚げとりか」を展開し、からあげグランプリ4年連続金賞を受賞。スシローをはじめ、数多くの商品監修実績を有する。
飲食店の独立・開業、原価管理、店舗運営について、長年の実務経験をもとに専門情報を発信している。
信長から揚げとりか|全国FC・代理店募集公式サイト